論文タイトル
Open-label, randomized, parallel-group controlled clinical trial of massage for treatment of depression in HIV-infected subjects.
著者
Poland RE1, Gertsik L, Favreau JT, Smith SI, Mirocha JM, Rao U, Daar ES.
論文情報
J Altern Complement Med. 2013 Apr;19(4):334-40. doi: 10.1089/acm.2012.0058. Epub 2012 Oct 25.
目的
本研究の目的は、マッサージセラピーがHIV患者の鬱症状を軽減するかどうかを確認することである。
実験デザイン
非盲検法(実験参加者や実験者が条件を知っている。バイアスが影響してしまうことがある)。3つの並行群間比較;スウェーデン式マッサージを受ける群、残り2つの群は統制群として;マッサージではないが体に触れられる群(以下タッチ群)、介入なし群。期間は8週間。
研究が行われた場所
Department of Psychiatry and Behavioral Neurosciences at Cedars-Sinai Medical Center (Los Angeles, California)
実験参加者
実験参加者はいずれも16歳以上で、HIV陽性であり、うつ病(major depressive disorder)の診断を受けている人。実験参加者は神経精神病学的に安定しており、鎮痛剤と抗レトロウイルスによる治療を30日以上続けており、本研究期間に治療計画の変更の予定がない者でなければならない。本研究時点で40%の実験参加者が抗うつ薬を摂取していた。全員が医学的に安定していた。54人がランダムに選ばれ、50人が少なくとも1週間以上、本研究に参加し(ITT群と呼ぶ)、37人がすべてに参加した(CLT群と呼ぶ)。
介入
スウェディッシュマッサージと触れられるだけの実験参加者は、一週間に二度、一時間、マッサージセラピストを訪れた。タッチ群は、マッサージ群と同じように、しかしマッサージではなく、両手で軽く押すように施術された。
効果の測定
効果の測定には、Hamilton Rating Scale for Depression scoreと、Beck Depression Inventoryを用いた。
結果
ITT群とCLT群の両方を分析したところ、タッチ群と介入なし群と比べて、マッサージはうつ病の重症度を有意に減少させた。4週目(p≦0.04)、6週目(p≦0.03)、8週目(p≦0.005)。
まとめ
結果は、マッサージセラピーが、HIV患者のうつ症状を減少させることができることを示した。反応の耐久性、投薬として最適なマッサージ、および、マッサージが及ぼす抗うつの効果のメカニズムははっきりしていない。